iText Suite バージョン 8.0.4 では、iText Core の GraalVM ネイティブイメージのサポートに加え、PDF/UA 作成のチェックとアシストが改善されました。また、デジタル署名の検証機能なども強化されています。
GraalVMネイティブイメージサポート
iText Suiteのバージョン8.0.4では、iText Coreに対するGraalVMネイティブイメージコンパイルがサポートされました。iText Core 8.0.4ライブラリはGraalVMネイティブイメージライブラリおよびフレームワークページに掲載されており、すでに最高のテスト評価レベルを得ています。
ネイティブイメージ実行可能ファイルを使用する利点
- リソース効率:Javaの仮想マシンで必要となるリソースの一部しか使用しないため、実行コストが安くなります。
- 高速起動::ネイティブイメージ実行可能ファイルはミリ秒単位で起動します。
- 即座のピークパフォーマンス:ウォームアップ無しで即座にピークパフォーマンスを発揮します。
- 効率的なデプロイメント:ネイティブ実行可能ファイルは、高速で効率的な展開が可能な軽量コンテナイメージにパッケージ化できます。
- 攻撃対象面の縮小:実行時に必要なコードのみを含むため、ネイティブ実行可能ファイルは攻撃対象面が小さくなります。
PDF/UA作成の強化
前回のリリースでは、PDF/AおよびPDF/UA生成のための一般的な検査とヘルパーロジックを導入しました。今回は、さらに使いやすいPDF/UAドキュメント作成のための追加APIをご用意しました。GitHubの更新されたPDF/UA(Java/.NET)の例でその実際の動作をご覧いただけます。さらに、formフィールドのメタデータにアクセスし、IAccessibleElementレイアウト要素を使って変更することができるようになりました。
PDF/UA-1準拠ドキュメントの生成が必要な場合、ドキュメント作成中に実行される便利な自動チェックを実装しました。不足しているタグや正しくタグ付けされていないコンテンツが検出された場合、Matterhorn Protocolに基づいて説明的な例外でお知らせします。
デジタル署名の検証
OCSPの検証改善
デジタル署名機能の強化に向けた取り組みが続き、デジタル署名の検証が改善されました。まず、デジタル証明書を1つ以上のオンライン証明書ステータスプロトコル(OCSP)レスポンスに対して検証できる OCSPVerifierクラス(Java/.NET)のロジックを改訂しました。これは、証明書失効リスト(CRL)を必要としずに証明書のステータスを確認したい場合に便利です。
ドキュメント改訂の読み取りとロールバック
kernel
および sign
モジュールに新機能を追加。署名済みドキュメントに加えられたリビジョンを解析して収集し、必要であれば以前のバージョンにロールバックできるようになりました。