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MODTRANは、大気が光学信号に及ぼす影響を正確にモデリングする放射伝達ソフトウェアです。リモートセンシング、防衛、気候など幅広い分野で活用されています。

MODTRAN

商品コード:
10010876*120101~10010876*120202

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メーカー:
Spectral Sciences Inc.
JANコード:
10002217
関連カテゴリ:
アプリケーション > その他

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MODTRAN – 大気放射伝達モデリングソフトウェア

MODTRAN® 放射伝達ソフトウェア – 概要と価値提案

MODTRAN®(MODerate resolution atmospheric TRANsmission の略)は、米国の Spectral Sciences, Inc. (SSI)Air Force Research Laboratory (AFRL) が共同開発した、大気放射伝達ソフトウェアの業界標準ツールです。30年以上にわたる継続的な開発と検証を経て、紫外域から遠赤外域(約 0~50,000 cm−1、波長にして 0.2 µm~100 µm超)に及ぶ大気効果を高精度でシミュレーションできる、実績あるモデルとして広く認知されています。大気中の分子・エアロゾル・雲・地表面などによる光学的な吸収・散乱・放射を計算し、さまざまな分野の光学データやシステム設計で必要となる大気の影響評価・補正を可能にします。

MODTRAN をワークフローに組み込むことで、政府機関・企業・研究機関など幅広いユーザーが利用している実績豊富かつサポートが継続されているツールを活用できます。紫外から遠赤外までを網羅する広いスペクトル対応、厳密な物理モデル、そして柔軟なインターフェースにより、リモートセンシング画像の補正や環境・気候分析、光学センサー設計など、大気伝搬の不確かさを大幅に低減できます。すなわち、MODTRAN を導入すれば、技術者や意思決定者は大気補正された高精細なデータやシステム性能評価に注力できるようになります。

MODTRAN の主な特長

  • 高い精度と豊富な検証実績: 30年以上にわたる開発と大気実測データとの比較検証を通して、MODTRAN は放射伝達モデルの “コミュニティ標準” として認められてきました。リモートセンシング、国防、気候研究など、幅広い分野でその結果が信頼されています。
  • 広大なスペクトル領域への対応:0~50,000 cm−1(0.2 µm~100 µm超)をカバーし、可視域や赤外域だけでなく紫外域にも対応。複数の波長帯を別モデルで処理する必要がなく、1つのツールでまとめて扱えます。
  • 包括的な物理モデルと多重散乱: 最新スペクトルデータベース(HITRANなど)による分子吸収、DISORT によるエアロゾル・雲散乱、地表面からの反射・放射、太陽・月照射、大気の球面幾何効果などを 1 次元の層状モデルで取り入れ、多重散乱も考慮して高い再現性を実現しています。
  • 高い計算効率と並列化: コアには高速なナローバンドモデルを採用し、必要に応じてラインバイライン計算による高解像度解析も可能。マルチコア対応により、大規模なバッチ処理やパラメータスタディの高速化を実現します。
  • GUI と統合性の両立: MODTRAN6 で導入されたユーザーフレンドリーな グラフィカルユーザーインターフェース (GUI) により、専門外のユーザーでも習得しやすい設計。一方で API を利用したプログラム的呼び出しや JSON ベースの入出力にも対応しており、カスタムワークフローにも組み込みやすくなっています。
  • 幅広い採用実績と継続的サポート: ライセンス製品として SSI がサポートし、定期的なアップデートが行われています。ドキュメントやユーザーコミュニティも充実しており、導入後の安心感を提供します。

製品概要

総合的な大気モデリング

MODTRAN は視線方向に沿った放射伝達を厳密に計算します。スペクトルを約 0.1 cm−1 のナローバンドに分割し、コリレート k 法で多数の吸収線を効率よく扱うため、高速かつ高精度な結果を得られます。レーザー伝搬や高精細なスペクトル解析などの用途には、ラインバイラインモードによるさらなる高分解能の計算も可能です。どちらのモードでも DISORT を用いた多重散乱を組み込み、エアロゾルや雲、もやなどによる散乱を的確に再現します。

大気プロファイルとエアロゾルモデルの内蔵

標準的な 6種類 の大気プロファイル(熱帯、大陸性、亜寒帯など)や代表的なエアロゾル(地方型、都市型、海洋など)があらかじめ搭載されており、迅速に解析を開始できます。ユーザーが独自のラジオゾンデ観測データなどを取り込むことも容易で、地域や季節、特定環境下に合わせたカスタマイズが可能です。エアロゾル分布や雲量の調整にも対応しており、晴天から曇天、あるいは霧やスモッグなど多様な状況を反映できます。

最新インターフェースとワークフロー

MODTRAN6 によって導入された GUI では、観測高度や視野角、エアロゾル条件などを対話形式で設定し、すぐにスペクトル表示を確認できます。さらに API やコマンドラインでのバッチ処理を使えば、大量のケースを自動実行したり既存のデータパイプラインへ組み込んだりすることが可能です。コア計算エンジンは長年最適化されてきた FORTRAN で、高い精度と速度を両立。マルチコア対応によりさらに高速化し、大規模データを扱うニーズにも応えられます。

継続的なアップデートとサポート

MODTRAN は長期にわたり改良を重ねてきた実績があり、新バージョンでは最新のスペクトルデータやアルゴリズムを随時反映しています。更新のたびに過去のベンチマークや実測との比較検証を行うため、後方互換性と精度を両立。ライセンスには通常、初年度のメンテナンス(サポートとアップデート) が含まれ、必要に応じて更新契約を継続できます。豊富なドキュメントやアルゴリズム解説資料も整備されており、ミッションクリティカルな業務でも安心して利用可能です。

MODTRAN 導入のメリット

  1. 信頼性と精度の向上: 多くの機関・組織で検証されてきたモデルを使うことで、大気補正やセンサー性能評価の不確実性を減らせます。
  2. オールインワン・ソリューション: 紫外域~熱赤外域まで一貫してカバーし、分子吸収・エアロゾル散乱・地表面効果などを統合的に扱うため、複数モデルを使う手間を省けます。
  3. 効率性とスケーラビリティ: 高速なナローバンドモデルや並列化対応により、大規模な画像補正や大量パラメータスタディでも短時間で処理可能。
  4. 簡便な操作性: 直感的な GUI で設定できるため、必ずしもプログラミング知識を要しません。標準の大気・エアロゾルモデルも内蔵されているので、準備が少なくて済みます。
  5. シームレスな統合: JSON ベースの入出力や API、スクリプト機能を通じて、企業システムや独自ワークフローと容易に連携可能。自動処理パイプラインにも組み込みやすい設計です。
  6. 継続的な開発・サポート: 定期的なバージョンアップとドキュメントの充実により、最新の科学的知見に即したソフトウェアを継続的に利用できます。
  7. 競争力強化と標準化: MODTRAN を用いた解析は提案書やレポートの信頼度を高め、多くの政府系・商業系プロジェクトで標準モデルとして認知されています。

ユースケースと適用分野

リモートセンシング・地球観測

衛星・航空機画像の大気補正で広く採用されています。エアロゾルや水蒸気による歪みを除去し、実際の地表反射率・放射輝度を得ることで、土地利用や植生、鉱物探査などの解析精度を向上させます。たとえば ENVI の FLAASH なども MODTRAN の物理モデルを活用しており、マルチスペクトル・ハイパースペクトル画像の補正に有効です。

防衛・航空宇宙

国防分野の研究から生まれた経緯もあり、光学センサーの設計評価や気象条件下での探知距離・S/N 比シミュレーションに欠かせません。航空・宇宙企業でも、大気減衰・バックグラウンド雑音を正確に把握するために MODTRAN を用いています。

気候・大気科学

温室効果ガスの放射強制力評価や、衛星観測データの解釈、成層圏や対流圏の加熱・冷却率分析など、気候研究で幅広く利用されています。標準大気のプロファイルが用意されており、熱帯から極域までさまざまなシナリオを容易に試せます。

天文・宇宙通信

地上望遠鏡における大気吸収・放射を定量的に把握し、観測波長の選定や背景放射の補正に役立ちます。また、衛星-地上間のレーザー通信において、大気によるビーム減衰を推定するリンクバジェット計算にも応用されています。

産業・その他

オープンパス型ガス検知や LIDAR の有効レンジ評価、屋外分光計測での大気補正など、多彩な産業分野で活用。過去のリモートセンシングデータを再解析する際の大気状態推定にも使われ、農業や考古学調査など応用先は多岐にわたります。

よくある質問 (FAQ)

Q1: 開発と保守はどこが行っていますか?
A: MODTRAN は Spectral Sciences, Inc. (SSI)Air Force Research Laboratory (AFRL) が共同で開発しています。商用ライセンスの管理やユーザーサポートは主に SSI が担っています。
Q2: MODTRAN は何をするソフトですか?
A: 紫外域から遠赤外域の電磁波が、大気中を伝搬する際の吸収・散乱・放射を計算します。衛星や航空機からの画像補正、センサー性能の予測、温室効果ガスの放射収支評価など、大気の影響を扱うあらゆる光学分野で応用されています。
Q3: 他のモデルと比べて何が違いますか?
A: MODTRAN は広いスペクトル範囲徹底した検証、そしてユーザーフレンドリーな GUI/API が強みです。フリーのモデルや専門特化型ツールは波長範囲が狭かったり、操作に高度なコマンドライン作業を要したりしますが、MODTRAN は 1D 多重散乱モデルで多用途に対応でき、導入・運用が比較的容易です。
Q4: グラフィカルインターフェースはありますか? プログラミングは必須ですか?
A: MODTRAN6 から GUI が実装されており、コードを書く必要はありません。高度な自動化やバッチ処理を行う場合は、API やスクリプトから実行することも可能です。
Q5: 入力に何が必要ですか?
A: 観測幾何(センサー高度、ターゲット高度、視野角など)、大気モデル(標準プロファイルまたは独自プロファイル)、エアロゾル・雲の条件、出力スペクトルの分解能などを設定します。分子吸収線データなどはソフト内部に搭載されているため、通常は外部データを追加せずに計算可能です。
Q6: どんな出力が得られますか?
A: 代表的にはスペクトル透過率放射輝度放射照度などを数値やプロットで出力できます。テキスト形式やバイナリ形式で保存可能で、スクリプトや API での解析にも対応しています。
Q7: Windows、Mac、Linux で動きますか?
A: はい。MODTRAN6 は主に Windows と Linux をサポートしており、GUI もそれぞれの環境で利用可能です。通常の PC でも数秒~数分程度で計算が終わるケースが多く、特別なハードウェアは必要ありません。
Q8: 計算時間はどのくらいですか?
A: ナローバンドの中~粗分解能なら、1 ケース数秒~数十秒程度で終了します。多重散乱やラインバイライン計算を有効にするとやや時間は増えますが、マルチコア機能で並列化できるため、大規模処理も比較的スムーズです。
Q9: ライセンス形態とサポート体制は?
A: MODTRAN は商用ライセンス製品で、通常は 1 年間のメンテナンス(アップデート&サポート) が付属します。以降は更新契約を結ぶことで継続利用やサポートを受けられます。充実したマニュアルやユーザーガイドも同梱されます。
Q10: 偏光(ポラリメトリ)にも対応していますか?
A: 現在の MODTRAN6 は非偏光を前提とした計算を行っており、偏光状態の追跡は行いません。将来的には拡張版で対応が検討されていますが、現状では総放射強度を対象とする用途向けです。
Q11: 3D の雲や局所的なプルームは扱えますか?
A: MODTRAN は 1D 層状モデル で大気を水平一様と仮定します。複数の雲層・エアロゾル層を設定することはできますが、水平変化の激しい局所現象を直接 3D モデリングすることは想定していません。必要に応じて複数ケースを組み合わせるなどの工夫が必要です。
Q12: Python や MATLAB と連携できますか?
A: はい。JSON(または従来の TAPE5)形式で入力を生成し、コマンドライン実行後に出力を自動処理する方法が一般的です。C/C++ 向けの API も用意されており、Python や MATLAB のスクリプトから呼び出すラッパーを作成して利用しているユーザーも多いです。

MODTRAN要約

MODTRAN® は、大気中を伝わる光や赤外放射をシミュレートするための先進的な放射伝達ソフトウェアです。Spectral Sciences, Inc.Air Force Research Laboratory によって長年共同開発され、30年以上にわたり改良を重ねてきた実績を持ち、大気補正やシミュレーションの“ゴールドスタンダード”と呼ばれています。紫外から遠赤外域(0~50,000 cm−1)まで幅広くカバーし、分子吸収・エアロゾルや雲の散乱・地表面特性を正確に考慮することで、画像の歪み補正やセンサー性能評価、温室効果ガスの放射収支解析などに威力を発揮します。

最新バージョンではナローバンドモデルラインバイラインを使い分け、マルチコア対応で計算を高速化。標準大気モデルやエアロゾルライブラリも内蔵し、GUI により直感的な操作が可能な一方、API やスクリプトで大規模処理にも対応します。計算結果としてスペクトル透過率や放射輝度などを数秒~数分で出力でき、ビジネスや研究の現場で実用的な速度を実現。ライセンス製品として公式サポートや充実したドキュメントが提供される点も、長期利用に向く大きなメリットです。

リモートセンシングや国防、気候研究、天文観測、産業利用など、さまざまな分野の専門家が MODTRAN を採用し、シミュレーション結果の信頼性を高めています。大気伝達の不確かさを減らし、高精度な光学データ処理やシステム設計を可能にする本ソフトウェアは、意思決定者にとって欠かせない選択肢と言えるでしょう。



試用版ダウンロードはこちら


デモ版は次のような設定が出来ます。
・Mode: 透過率や放射率などの計算モードを選択できます。
・Atmosphere Model: 大気のモデルを選択できます。
・Water Column: 水蒸気の量を設定できます。
・Ozone Column: オゾンの量を設定できます。
・CO2: 二酸化炭素の量を設定できます。
・Aerosol Model: エアロゾルのモデルを選択できます。
・Visibility: 視程を設定できます。
・Ground Albedo: 地表の反射率を設定できます。
・Sensor Altitude: センサーの高度を設定できます。
・Target Altitude: 対象物の高度を設定できます。
・Viewing Angle: 視角を設定できます。
・Wavelength Range: 波長範囲を設定できます。

設定が完了したら、「Run MODTRAN」ボタンをクリックすると、計算結果が表示されます。
デモ版は、MODTRANの基本的な機能を試すことができるツールですが、すべての機能やオプションが利用できるわけではありません。


メーカーの製品サイト
http://modtran.spectral.com/modtran_index

【種別】シェアウェア
【言語】英語
【動作環境】Windows, Mac, and UNIX/Linux